育ちの違い

世界最強の投資銀行(何をもってして?) の方とお話しして妙に納得しました。なにやら年収で3億円くらいということ。アメリカ本社のCEOは、確か新聞発表で7~8年前に40億円くらいだったように記憶しているので、業界での格差を見せられる思いですが、そんなことを今さら論議したいわけでないです。ちなみに、今回、元ゴールドマン=>NYSE=>メリルのCEOは50億だそうです。メリル今めちゃめちゃ苦しんでいますから、好転の折には120億も夢じゃないとか・・・まったく、何の話かわからない金額です。でも、余談でした。すみません。

さて、この最強の投資銀行、サブプライムで大損をしている証券や投資銀行が多い中で、四半期で3000億円もの利益を出しました。で、「さすがですね。このご時世に3000億円もの利益。サブプライムには手を出していなかったのですね。すごいすごい」と言うと、「いや、違いますよ。うちだって1500億くらいの損は出していたんです。ショートしたんですよ」と宣う。目の前がパッと明るくなりました。「この数字見ただけで、ファイナンスの人間なら何をしたかはピンときますよ」と言われ、そうか、素直にサブプライムに手を出していなかったと考えた私は、甘い甘いと納得せざるを得ませんでした。しかし、・・・ということが言いたかったわけではないのです。響いたのは次のフレーズです。

「(私はファイナンスの人ではないので、まったくもって無責任な発言で申し訳ないが、とにかく論理的には正しいと思い)な・る・ほ・ど!下げは決まっていますもんね。じゃ、なぜ、他はしないの?他社もショートすればよかったじゃないですか?」とお尋ねすると、「育ちの違いですよ。うちは、生まれが投資銀行です。生粋の投資銀行。だからできるんですよ」とおっしゃる。「はあ」「今回、79億ドル(日本円で8500億円くらい?)もの損を出したMさん。こちらは、母体が富裕層顧客なんです。まず、富裕層ありき、その上に、投資銀行がのっかったという歴史があります。この富裕層という顧客基盤を意識するとショートはできないですよ。下がったら売るな、みたいな社内規定もあるんです」

なるほどね。下がったら売るながどうルール化されているかは別として、確かに富裕層を意識したら無茶はできない。育ちが違う。そのとおりですね。

このMさん、そういえば、インターネット惣明期にも同じように叩かれたのを覚えています。1990年代、銀行・証券がオンライン化する中で、アメリカでは、E-Tradeのようなオンライン証券はもちろん、既存小売店舗を持っていても Schwabのように積極的にオンラインに投資する証券会社もありました。それに比べ、Mさんは、オンライン化が遅いんだよと散々たたかれたのです。でも、Schwabは証券会社といえども、Discount Brokerage Firmという部類に入る会社。顧客基盤がMさんとは違ってもとから一般向けの証券会社です。インターネットをすすめたって誰も怒りはしない。むしろ、喜ばれましたよね。既存ビジネスが足かせになることはなかったわけです。

Mさんをかばうわけではないですが、両方ともMさんの正の資産が足かせになっていますね。こうしてみると、パラダイムシフトって、いつもながら既存ビジネスに不利だということを思い知らされます。

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